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眼からウロコの賃金管理―第2回 いま求められる賃金改革とは 【第2回】非正規代替には限度がある
2015.03.02
非正規代替には限度がある
「失われた20年」といわれる経済の停滞のもとで、労働生産性の低下に対する、現状で唯一の企業側の対応は、労働者の非正規化であるといえます。男性非正規労働者の比率は、1990年には8.7%であったものが、2011年には20.1になっています。
国際基督教大学の八代尚宏客員教授は「過去の高い経済成長と豊かな若年労働者の増加を前提として成立した、長期雇用保障と年功賃金の雇用慣行がそのまま維持されていることが、労働市場における格差拡大の原因となっている。」と述べています(『新自由主義の復権』中公新書、2011年)。
格差問題についてここでは論じませんが、正社員が辞めるたびに、インセンティブ(成果を上げれば報われる仕組み)も雇用保障もない、非正規社員で置き換えることには限界があります。そろそろ正社員の賃金制度を改革すべき時期を迎えています。