今年の日本テレビ「24時間テレビ—愛は地球を救う―」のマラソンランナーが、俳優の星野真里さんに決まりました。
この番組がランナーにギャラを支払っていることについて、批判的な意見があります。
しかし、紅白歌合戦の出場歌手がギャラを受け取ることには違和感がないのに、『愛は地球を救う』のチャリティーランナーがギャラを受け取ることには、なぜ違和感を覚えるのでしょうか。
無名の市民ランナーが無償で走って100万円の寄付を集めるのと、芸能人に500万円の出演料を払い、1000万円の寄付を集めるのとでは、どちらが慈善活動として優れているのでしょうか。
経済学者のウリ・ニーズィー氏は、人々が慈善活動を成果ではなく、運営費の少なさで評価する傾向のことを「運営費嫌悪」と呼んでいます(『インセンティブが人を動かす―今日から使える行動経済学入門』河出書房新社)。
運営費嫌悪の背景にあるのは
- 運営費が運動の非効率さや、運営に問題点がある可能性を示唆していること
- 運営費が浪費や横領など、腐敗の可能性を示唆していること
- 寄付者は自分のお金が福祉や災害復興に直接影響を与えるのを好むこと
などです。
慈善活動では、いくら成果を上げたかだけではなく、運営にいくら使ったかが、それ自体として強く問題視されます。
一方、企業では、広告宣伝費や人件費を使ったこと自体より、それによってどれだけの成果を生み出したかが問われます。
人道活動家であり、世界で最も視聴されたTEDスピーカーでもあるダン・パロッタ氏は、これを慈善活動に対する差別であり、慈善団体の潜在能力を最大限に発揮することを妨げていると主張しています。
問題は、ギャラを払ったかどうかではなく、ギャラを払った結果、どれだけ大きな社会的成果を生み出したかではないでしょうか。
