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眼からウロコの賃金管理―第4回 いま求められる賃金改革とは④定期昇給とベースアップ
2015.04.10
等級と号
一般的に、日本の企業の賃金制度には「等級」と「号」というものがあります。等級については後で詳しくお話ししますが、簡単にいえば「部長クラス(の賃金は)ここからここまで」、「課長クラスはここからここまで」というような、賃金の大枠のことです。1等級、2等級、・・・というように数字をつけて呼ぶのが一般的です。
等級の中には「号」というものがあります。「1等級1号、2号、3号、・・・」という具合です。号とは等級の中での具体的な賃金額のことです。大枠である等級を昇格という形で会社が決め、その中での具体的な金額である号を、評価を通して各人の上司が決めます。
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1等級 |
2等級 |
・・・ |
5等級 |
1号 2号 3号 … … 50号 … |
200,000 201,000 202,000 … … 249,000 … |
240,000 241,200 242,400 … … 298,800 … |
… … … … … … … |
414,700 146,780 418,860 … … 516,620 … |
定期昇給
号がある賃金制度の場合、各人の賃金は号で決まります。号にない金額の賃金はありません。各等級で、成績Sは6号、Aは4号、・・・という具合に、成績に応じて号が上がることを「定期昇給」といいます。ただし、最近では少なくなりましたが、企業によっては、このように評価つきのものでなく、「年齢給」や「勤続給」など、評価と無関係に昇給する部分もあります。
号がある賃金制度の場合、中間的な昇給はありません。たとえば上のような賃金表で、「今年は会社の業績が振るわなかったから、Sは4.5号昇給、Aは3.5号昇給・・・、とする」というように、昇給号数を会社業績に応じて変えたり、小数点がつく昇給をしたりすることはできません。給与規定に則れば、必ず所定の号数したがって所定の金額だけ賃金を引き上げなければなりません。
ベースアップ
各等級各号の金額を一律に何%か、あるいは一律に何円か、さらにはその折衷で引き上げることをベースアップといいます。ベースアップという言葉は和製英語であり、日本にしかありません。
諸外国の賃金制度にはベースの象徴である「号」というものはありません(ただし基本給のことを英語でベースペイといいます)。等級ごとに上限額と下限額があるだけで、「Sは○○%~○○%、Aは○○%~○○%、・・・」という形で昇給します。各成績で何%昇給するかは一定ではなく、会社の業績で変動します。当然、賃金は区切りの良い数字ではなく、半端な数字もとります。