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眼からウロコの人事評価―第3回 評価は何のためにあるのか

2015.04.03

評価は何のためにあるのか

 

 評価は何のためにあるのでしょうか。思いつくままにあげると、①賞与や昇給、昇進などの処遇を決めるため、②「社員にはこうあって欲しい」と会社が望むことを示すため、③いま行っている人材配置が適材適所であるかどうかを確かめるため、④会社にとって有為な人とそうでない人を見極めるため、などがあります。

 

 やはり①の処遇を決めるということがが最重要で、その証拠に賞与も昇給も昇進もない、非正規社員と呼ばれる人には②~④の必要性はあるにもかかわらず、評価が行われていません。

 

 ②は会社、特に経営者にとって価値がありながら、黙っていては社員がやりたがらないこと、つまり「努力」を促すことです。これももちろん重要です。どの会社でも、評価基準書にはそのような規範が書かれています。ただし社員がそれにどこまで敏感であるかは不明です。

 

 ③の適材適所ということは、それ自体はたいへん重要なことです。しかし実際には、評価を利用してはあまり行われていません。ひとつの仕事をやらせて不向きだったということを理由に、他の仕事に異動させるということは通常しません。

 

 これは、日本の企業は仕事内容にかかわらず同じ給与体系を採用しており、相対的にきつい仕事も楽な仕事も給与体系が同じであるためです。評価で適材適所を実現しようとしたら、きつい仕事に配属されている人が、楽な仕事に配置転換してもらおうとして、わざと不向きであるように装う可能性があります。

 

 ④についていえば、評価が悪い人に対して露骨に退職を勧奨したりはしません。しかし高い評価を得た人には多くの給与や賞与を与えることによって、「(居心地が良くて)やめられない」と感じさせ、低い評価に甘んじた人には少ない給与・所与に甘んじさせることによって、「(こんなんじゃ)やってられない」と感じさせます。人材の選別に貢献している面はたしかにあります。